【第45話】岐阜県中津川市 付知峡 - 岐阜

【第45話】岐阜県中津川市 付知峡

45v.jpg

【第45話】桃源郷へ架かる橋
~自然は容赦なく我々を襲う~
とある日「今年はまだ雪を見てないから雪が見たい」と友人に提案した。すると「そんならノーマルタイヤでも行ける範囲で」ということで、今回選ばれたのが付知峡。
バレンタインデーに男二人で誰もいない渓谷を旅とか大丈夫か?



寒さ厳しい2月のバレンタインデー。傷心に浸るわけでもなく、かと言って独身貴族を誇るわけでもなく、ふっと湧いて出た言葉は「まだ今年雪見てない」。
友人を困らせることについては一級品の技として使えるまで磨かれてきたのではないかと自負している(爆)。
豊田、土岐、恵那と越えていき中津川。路肩に雪をどけたような痕跡は何処にもなく、おいおいこれ大丈夫か失敗回かという気持ちとノーマルタイヤだからこっちのほうが安心できるという気持ちが交錯し何やら複雑な気持ちであった。

が、付知地区に入ると歩道に雪が目立ち始める。山が近いからだろうか。
付知峡に近づくほど雪の量は増えていったので、奥まで車で入ることはせずに手前で止めてそこから歩くことにした。

付知峡

少し歩くと眼下に本谷キャンプ場が見えてきた。蒼く澄みきった清流が遠くからでもよく見える。モノクロがよいとされがちな冬の景色に一滴の青い絵の具を垂らすのも悪くない。

付知峡

橋のところまで降りてきた。
やじろ橋と書かれた橋の隣には看板が設置されており「三人まで静かに ゆらさないで 渡って下さい。」と書かれていたので友人を先に渡らせてからユサユサと橋を揺らせつつ橋を渡った(爆)。

橋を渡った先には「岩魚の里 峡」という店があり新鮮な岩魚や山菜、蕎麦を振舞ってくれる。
だが今は冬。12月~3月は原則休業閉鎖のため利用できない。

付知峡

下を覗くと結構な高さである。私は高所恐怖症であったはずだが、不思議と好奇心と撮影意欲が勝ると高さに恐怖を感じなくなる体質になった。
高所恐怖症は完治するものなのか?それとも私が単に単細胞のアホなだけだろうか?
観覧車は大丈夫だし、橋を揺らす余裕があったので抑々高所恐怖症でなかった可能性もある。

青い水を湛えた川は近くで見ると更に澄んで見え、小石の一つ一つもしっかりと確認することができる。
これほどまで透明度の高い川を見てしまうと考えてしまう。某アニメのセリフを思い出す。

駅のホームに立ってるとさー、なんか考えちゃったりしない?「飛び込んだらどうなるのかなー」とか。

死にたいわけではない。飛び込んだらどうなるのか。結果がわかっているのにやりたくなる。普通は自制がきく。しかし普通とは一体何なのか?
こうやって普通だ普通だと生活していることのほうがもしかして異常なのではないか?しかしそれなら異常とはなんなのか?何を以って、何を指標として異常と見るのか?

無言でいたら危ない。適当な感嘆詞を口にして心の均衡を保つしかない。

付知峡
付知峡

下に降りてみた。見ただけで冷たいのがで伝わる水である。
恐らく夏に水遊びに来たとしても柿其渓谷や阿寺渓谷同様入っても5分ともたぬ水温であろう。

付知峡

店がやってないのならば仕方ない。元来た道を戻るほかない。
帰りは反対側を撮る。水深は腰あたりかそれとも頭までか。皆目見当もつかない深さである。
ゆらゆらと揺れる水面。本当はPLフィルターでもあれば使って水面の反射を抑えるべきだったのだろうが、この時はそんなことなど考えてもいなかった。

凍った不動滝

移動し御次は少し離れた観音滝へ。ここへ来る途中に友人が滑って転ぶアクシデントがあったものの大きな事故は起こさずここまで来ることができた。
水しぶきなのか雨なのかよくわからないが兎に角服に水滴が付き風が吹くので寒いというレベルの話ではない。
しかもこの滝……

凍った不動滝

部分的に凍結している。
凍った滝をこの目で見るのは初めてだったため感動し体が震えたが、この震えは寒さから来たものだったかもしれない。

不動滝

観音滝、滝壺と水は流れ、不動滝へと達する。滑って落ちたら尻を打つどころの話ではなくひとたまりもないので身を乗り出して撮る際には細心の注意が必要だ。

不動滝

全景。
紅葉はもとより新緑の季節でも素晴らしい写真が撮れそうだ。是非再訪したい。

つり橋

続いては仙樽の滝を目指す。足元を一歩一歩確認し慎重に歩く。

仙樽の滝

着いたのかどうかわからないが遠くに凍結した滝が見えた。
あれが仙樽の滝であるのか確かめるため近くに寄りたかったが、これ以上は寄れなかった。
と言うのも岩場足場関係なく雪が積もり境界線がよくわからない状態になっていたのである。
ここで旅行軽装の我々が冒険をすれば事故を起こし関係者に迷惑をかけるかもしれない。
惜しい気持ちを抑えつつ、このあたりで時間を迎えたので車に戻る。

不動滝
▲帰り際、もう一度観音滝を見る

帰り路、見るものは見たという安心感からか、盛大に滑り尻を打ってしまった(爆)。
濡れた尻をタオルで押さえながら「これでおあいこやな」と冗談を言っていたら、友人が何やらそうでもなさそうな顔をしていたので聞いてみると「履いてくる靴を間違えた」という。
見てみると靴が雪解け水で侵食され、靴下までびしょ濡れになっていた。これで運転は辛いものがあるし、何より今は冬である。
本人は思わず半笑いしていたが、その状況がいかに悲惨かは想像に難くない。

中津川市

さらに追い打ちをかけるように突然雲が低く垂れこめ、雨が降り始めた。踏んだり蹴ったりである。

中津川市

コンディション的には良いと言えるものではなかったが、それでもあの蒼い色、凍結滝をこの目で見られたことはきっと財産となるだろう。次は色彩豊かな季節に訪れてみたいものである。

旅の最後は恒例となった温泉だ。この日は付知峡倉屋温泉 おんぽいの湯にて入湯。アルカリ性単純温泉をかけ流しで提供しており、微かに灯油臭がする温泉である。

券売機で入湯券を購入し番台のおばちゃんに提出すると引き換えにチロルチョコを一個くれた。

「せや、今日はバレンタインデーや……」

そう思うと何故か笑えて来た。
思いつきでこんなところまで来て風邪引くぐらい濡れて転んで尻打っておばちゃんからチロルチョコ貰って……友人に申し訳なくなった。が……

「でもなんか、いかにも俺達っぽいよな」

その言葉に何だか救われた気がした。


No.045桃源郷へ架かる橋
場 所岐阜県中津川市 付知峡
日 時2012/02/14曇→雨
備 考(社)中津川観光協会|付知峡散策コース
引 用星空へ架かる橋 1 [Blu-ray]
星空へ架かる橋 1 [Blu-ray]

関連記事
スポンサーサイト

0 Comments

Leave a comment